鼠径部の名前の由来は、ネズミのように細い経路を意味するらしいんですが、何でネズミさんなんですかね、楽体です(´∀｀*)
そんなわけで、今日は鼠径部痛と東洋医学における鍼灸治療の考え方を書いてみました！
●鼠径部痛とは？
鼠径部痛とは、太ももと腹部をつなぐ鼠径部に生じる痛みのことですね。
この痛みは、軽度な違和感から激しい痛みまでさまざまな程度で現れることがあります。
原因は多岐にわたりますが、主に以下のようなものが考えられます。
1 筋肉や腱の損傷：スポーツや重いものを持ち上げる際の負荷が原因で、筋肉や腱に損傷が生じることがあります。
2. ヘルニア：特に鼠径ヘルニアは、腹腔内の臓器が鼠径部を通って突出することによって痛みを引き起こします。
3. リンパ節の腫れ：感染症や炎症によってリンパ節が腫れ、痛みを感じることがあります。
4. 神経痛：坐骨神経痛などの神経痛も、鼠径部に痛みを感じさせることがあります。
●東洋医学における鼠径部痛の見方
東洋医学では、鼠径部痛の原因を「氣」「血」「津液(体液)」の流れの乱れや、体内のバランスの崩れとして捉えます。
以下に、主な考え方を挙げてみます。
1. 気滞(きたい)：氣の流れが滞ることで痛みが生じるとされます。
ストレスや感情の乱れが原因となることが多いです。
2. 瘀血(おけつ)：血流の滞りが痛みの原因となります。
血行不良や外傷が関与することがあります。
3. 湿邪(しつじゃ)：体内の湿気(余分な体液)が溜まり、それが痛みを引き起こすことがあります。
●鍼灸治療のアプローチ
東洋医学における鼠径部痛に対する鍼灸治療は、全身のバランスを整え、氣血の流れをスムーズにすることを目的とします。
具体的には以下のような方法が用いられます。
1. 経絡治療：痛みの原因とされる経絡(けいらく)を刺激し、氣血の流れを改善します。
例えば、肝経(かんけい)や腎経(じんけい)、胃経(いけい)や脾経(ひけい)、胆経(たんけい)が鼠径部に関与することが多いです。
・肝経
肝経（足厥陰肝経）は、鼠径部を通る代表的な経絡です。
肝経は肝臓と関連しており、氣血の流れを調整する役割を持っています。
鼠径部の痛みや違和感は、肝経の気滞(気の流れが滞ること)や瘀血(血の滞り)と関連していることがあります。
・腎経
腎経は腎臓と関連し、生命力の維持や水分代謝の調整に関与しています。
鼠径部の痛みは、腎経の不調や腎虚(腎のエネルギーが不足している状態)と関係していることがあります。
・腎経
胃経は消化器系と関連し、食物の消化・吸収に重要な役割を果たします。
鼠径部の痛みや違和感は、胃経の氣血の滞りと関連することがあります。
・脾経
脾経は消化・吸収、そして水分代謝の調整に関与しています。
鼠径部の痛みは、脾経の不調や湿邪(余分な湿気)が滞ることで引き起こされることがあります。
・胆経
胆経は胆の機能と関連し、決断力や行動力にも影響を与えます。
鼠径部の痛みは、胆経の氣滞や胆の機能不調と関連することがあります。
2. 局所治療：痛みが感じられる部位に直接鍼を刺し、痛みを和らげる方法です。
3. 全身調整：痛みの原因が全身のバランスの崩れにある場合、全身の経絡を調整し、体全体のバランスを整えます。
●自宅でできるセルフケア
鍼灸治療と併用して行うと効果的なセルフケア方法もいくつかあります。
1. 温める：温かいタオルや湯たんぽを使って鼠径部を温めることで、血行を促進し、痛みを和らげることができます。
2. ストレッチ：鼠径部痛を予防・改善するためには、ストレッチと筋力トレーニングが欠かせません。
軽いストレッチを行うことで筋肉や腱の緊張をほぐし、痛みを軽減します。
内転筋、大腿四頭筋、ヒップフレクサーのストレッチや、中臀筋と体幹を強化するエクササイズを定期的に行いましょう。
これらの運動を取り入れることで、鼠径部の柔軟性と筋力を高め、痛みを和らげることができます。
※ただし、痛みが強い場合は無理をしないよこと！
3. 適度な運動：ウォーキングなどの軽い運動は血行を改善し、氣血の流れをスムーズにします。
●まとめ
鼠径部痛は、生活の質を大きく損なうことがありますが、東洋医学の視点から見ると、全身のバランスを整えることで痛みを軽減できる可能性があります。
鍼灸治療とセルフケアを組み合わせて、効果的に対処していきましょう。
痛みが強い場合は、先ずは医療機関に相談することをお勧めします。
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